10月10日、4次越冬隊の故福島紳隊員が62年前の1960年に遭難された日に合わせて、澤柿越冬隊長をはじめとする8名が西オングル島を訪れ、ご遺体が発見された場所に築かれたケルンの前で手を合わせて、故人のご冥福をお祈りしました。
(故福島隊員遭難の経緯については、こちらの記事もご参照ください。)
故福島隊員のご遺体の発見場所は、東オングル島にある昭和基地からは直線距離にして約4km離れたところにあります。雪上車とスノーモービルで西オングル島のテレメトリー小屋付近まで移動し、その後は徒歩にて荼毘に付した場所を経由して、ご遺体が発見された場所に向いました。
この日午前中は曇一時晴れの天気でしたが、福島隊員が遭難した時はA級ブリザードで視程もほとんど無かったといいます。福島隊員がこの場所までどのようにしてたどり着いたか、想像を絶します。
現在は、外出禁止・注意令の発令やライフロープの設置などの安全対策が取られ、福島隊員の遭難以降、観測隊員の死亡事故は起きていません。63次隊では、2月10日に昭和基地内の福島ケルンの前で慰霊祭を執り行い、越冬生活中の安全を祈願したところですが、改めて残りの越冬生活の無事を祈願する機会となりました。
(JARE63 馬場健太郎)