3月16日~17日に第3号(B級)、18日に第4号(C級)と立て続けにブリザードに見舞われた昭和基地は、建物などの風下側に雪の吹き溜まり(ドリフト)ができ、すっかり雪化粧しました。
駐車中の雪上車にもドリフトが付きましたが、車体の形状のせいか、63次隊で持ち込まれた緑色の新型雪上車(LAV)は既存の雪上車に比べてドリフトができにくいようです。
ブリザードが過ぎ去った後には、建物や設備などに被害がないか各部門の担当者が確認してまわる通称「ブリ後点検」と、除雪が行われます。
3月19日には、130kl水槽周辺の除雪と、雪に埋もれたスノーモービルの掘り出しが行われました。
しかし、この日は急に風が強まり、スノーモービルの掘り出しはいったん断念。翌日も風が弱まらずに除雪作業は見合せとなり、3月21日の朝から作業再開となりました。この日は春分の日で休日日課でしたが、約25名の隊員が集まり、午前中は雪上車の履帯周辺の雪かきを行い、午後から改めてスノーモービルの掘り出しを行いました。
スノーモービルは冬期には陸上のドリフトがつきにくい場所に駐車させますが、まだ陸上に雪上走行用の装軌車が走行できるだけの十分な積雪がなかったため、とりあえず海氷側に駐車していたところ、ここ数日のブリザードで思いのほか多くのドリフトが発生して、完全に埋没してしまいました。掘り出したスノーモービルは、最終的に翌22日にクレーンで吊り上げてドリフトのつきにくい陸上側へ移動させました。今後はこれほどの掘り出し作業は不要になります。
基地機能を維持して観測を継続するため、今後もブリザードのたびに除雪を行うことになります。
(JARE63 馬場健太郎)