風力発電設備の整備訓練

発電機制御盤担当の櫻庭です。昭和基地での生命線である電気は、ディーゼル発電機2基を相互運転して絶え間なく供給しています。近年は再生可能エネルギー活用と環境保全を目的に、太陽光発電設備と風力発電設備が昭和基地にも設置され系統運転を行っています。

今回は98日から10日まで、秋田県にかほ市へ風力発電設備の整備訓練に設営隊員3名で参加してきました。

仁賀保高原に設置されている運用試験用風力発電設備
撮影:JARE63 正治 徹一(2021年9月8日)

仁賀保高原は昭和基地と似たような風況になっており、運用試験用風力発電設備を設置して数年間国内試験を実施していました。試験終了後は主に観測隊員の訓練設備として使用されています。
こちらの風車は、一般的に見かける水平軸プロペラ式とは異なり縦軸型となっています。
昭和基地では非常に強い風を伴うブリザードが年に何回も襲来する、過酷な環境であることからこのような形状が採用されました。

軸の調整作業を行っている小野寺隊員
撮影:JARE63 櫻庭 健吾(2021年9月8日)
調整後の確認作業を行っている正治隊員
撮影:JARE63 小野寺 翔(2021年9月8日)

そのような南極での厳しい環境でも安定した発電量を確保するためには、定期的な点検整備が必要不可欠となります。
南極で風力発電の据付・運用経験のある方に講師を担当していただき、普段このような設備を触ることのない我々にもわかりやすく設備の構造や点検個所などを説明いただきました。また実際に整備作業を実施して現地でスムーズに作業を行えるよう訓練しました。

関係者の皆様、ご協力ありがとうございました!

制御盤内の配線を接続している櫻庭隊員
撮影:JARE63 正治 徹一 (2021年9月9日)
高所作業車に乗って構造説明を受けている様子
撮影:JARE63 櫻庭 健吾(2021年9月9日)

 

(JARE63櫻庭 健吾)