GIGAスクールの裏側

みなさん、こんにちは!LAN・インテルサット担当三井です。私が観測隊で担当する仕事は、「しらせ」や昭和基地のネットワーク環境の保守が主ですが、情報発信担当隊員のサポート役として、基地のネットワークを使用して実施される南極中継イベントのお手伝いもします。
今回は、9/7に行われたGIGAスクール特別講座~南極は地球環境を見守るセンサーだ!~の配信の裏側を少しだけ、お見せします!
(情報発信担当隊員は、しらせ訓練航海に参加しているので、代わりに見学してきました)
YouTube配信はこちらから。

GIGAスクール構想とは、教室で学ぶ児童や生徒1人1人にIT端末を行き渡らせ、高速ネットワークやデジタル教材を活用しながらIT時代にふさわしい教育を推進しようとする文部科学省の取り組みです。ここ数年で全国の小中学校に学習用端末が配布されるようになりましたので、ご存じの方も多いことと思います。
今回は、南極観測事業からGIGAスクール事業への参画と言うことで、コロナ禍でのリモートワークや遠隔授業ですっかり定着したZoomを用いて、国立極地研究所に併設されている南極・北極科学館をキー局にして、全国10校の小中学校と南極昭和基地とを繋いで、特別講座が行われました。
このような双方向テレビ通信を行うには、今までは特別な機材が必要でしたが、インターネット環境の普及や配信機材の簡素化により、手軽にテレビ会議ができるようになりました。それを活用した今回の講座は、まさにGIGAスクールならではの企画だともいえます。
また、以前より、「南極授業」や「南極教室」という形で国内の学校と昭和基地とを単独で接続して授業を行うことはありましたが、10校を同時に接続するは今回が初の試みとのことで、さらに、同時にYouTube配信をしたり、Googleフォームでのクイズ形式を導入したりという複雑な構成となっていました。それだけに、慣れてきたZoomだとはいえ、ホストとなる南極・北極科学館の会場には、いつもにはない緊張感が漂っていました。

南極・北極科学館でのGIGAスクール配信の様子
撮影:JARE63 三井俊平(2021年9月7日)

さらに今回はプノンペンの日本人学校とも接続し、日本国内を飛び出して南極中継を行うことができました。
LAN・インテルサット担当としては、複数校同時、国内外問わずに接続できたというこの中継の見学経験を元に、南極中継のさらなる発展に協力できればと考えています。

(JARE63 三井俊平)