越冬交代から1カ月が過ぎ、徐々に昭和基地での生活にも慣れてきた2月下旬のある日、調理隊員から野菜ケアオペレーションの実施が告げられました。
10月に納品されてから、「しらせ」に乗って赤道を超え、南極までやってきた生野菜たちは所々が傷んできています。
日本で暮らしていれば、ダメになった野菜は処分して、新しい野菜を買いに行くこともできますが、ここは南極。スーパーや八百屋はありません。傷んだ部分を取り除いて、使える部分を仕分け、貴重な野菜を大切に使っていきます。
この日は、キャベツ・白菜・ジャガイモのケアオペレーションが実施されました。
傷んだキャベツ・白菜の葉を、隊員たちが大まかに手で取り除き、調理隊員が切り分けて再度紙で包みなおします。
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撮影:JARE62 天城正人(2021年2月22日)
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撮影:JARE62 赤松澪(2021年2月22日)
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撮影:JARE62 金城順二(2021年2月22日)
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撮影:JARE62 赤松澪(2021年2月22日)
ジャガイモも、伸びた芽を1つ1つ手で取り除き、段ボールにしまっていきます。
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撮影:JARE62 赤松澪(2021年2月22日)
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撮影:JARE62 赤松澪(2021年2月22日)
例年であれば、生鮮食品の多くは寄港地であるフリーマントル(オーストラリア)で12月上旬に積み込まれているため、この野菜ケアオペレーションは、4~5月頃に実施されることが多いそうです。今年は新型コロナウイルスによる観測隊の行動変更の影響で出国後から無補給での南極入りとなったため、例年より少し早く実施されることになりました。
新型コロナウイルスの影響の大きさを改めて実感するとともに、貴重な野菜がおいしく食べられることへのありがたさを感じた作業となりました。
(JARE62 金城順二)