赤道で見た、赤い線。

「赤道には、赤い線が見える。」

そんな話を聞きました。

 

「本当だろうか・・・?」

私は疑い半分、赤道通過時間に合わせて外に出て、カメラを片手に海を眺めていました。

 

赤道に近づくにつれて、波は高くなっていました。

船体に当たった波しぶきが巻き上がり、私のほうにもかかってきていました。

 

私は眺め続けました。

 

アナウンスが流れます。

「赤道通過10秒前・・・5秒前・・・」

「赤道通過!」

11月27日15時40分に我々は赤道を通過しました。

 

何も見えません。

「やはり、何も見えなかった・・・。そりゃあそうだよな。」

 

そう思ったその時、

こんなものが見えたのです。

赤道で見た線
撮影:JARE62 新居見 励(2020年11月27日)

 

線が見えるでしょうか!

私が見たのは、赤い線・・・いや、もっとカラフルな虹色の線でした。

赤道で見た虹色の線
撮影:JARE62 新居見 励(2020年11月27日)

船体左側の水しぶきがプリズムとなり、船体右前から照り付ける太陽の光を屈折し、虹色の線を作っていたのでした。

屈折された太陽の光
撮影:JARE62 新居見 励(2020年11月27日)

私にとっては記憶に残る赤道越えの瞬間でした。

  

ちなみに、甲板には赤道をイメージした赤い線が本当にあり、隊員が思い思いに赤道を飛び越えていました。

北半球から南半球へジャンプ!
撮影:JARE62 杉山玄己(2020年11月27日)

 

JARE62 新居見 励)