昭和基地まであと少し

トッテン氷河沖の集中観測(往路分)は12月21日で終了し、「しらせ」はトッテン氷河沖の氷海を離脱して、昭和基地へ向かうため西へ進んでいました。(観測隊はいまどこ?

西航のあいだは、「糧食配布」をしたり、

糧食配布。基地を出て野外キャンプで調査を行うグループに、食材を分配します。
冷凍した肉や魚、パン、レトルト食品、野菜、調味料、飲み物など350品目以上を倉庫から搬出して、グループごとの量に分け、梱包しました。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月21日

調査地で アンテナを設置するための訓練をしたり、

基地を離れて野外調査をするときは、昭和基地との連絡には主に無線機を使用します。
無線は安否確認の要。HF無線のアンテナを立てる訓練を行いました。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月22日

ヘリコプター搭乗訓練を受けたり、

調査地への移動や、空からの観測には、しらせ所有のヘリ2機に加えて、観測隊でチャーターしたヘリも使います。
中央がチャーターヘリのパイロット、佐藤さん。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月24日

安全に関する講習を受けたり、

過去に観測隊参加経験のある隊員が講師となり、安全講習を実施しました。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月24日

と、昭和基地到着後の活動へ向けて、準備や訓練を実施しました。

今日12月28日の早朝、リュツォ・ホルム湾の「St. BP(ステーション・ビーピー)」と呼ばれる地点に到着。ここでいったん停泊します。

St.BP付近のようす
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月28日

海底圧力計を投下。2年間、海底で観測を続け、63次隊で回収する予定です。

海底圧力計の投下
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月28日

また、海氷の厚さを測定する「EMセンサー」を船の外に設置しました。しらせから横に突き出すようにアームを伸ばし、そこに吊り下げました。

EMセンサーの取り付け。航行しながら海氷の厚さを測定する装置です。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月28日

これらの作業が終わった午前9時過ぎ、しらせが航行を再開。南下して氷海域に入ると、景色が一変しました。

氷海に進入。しらせの上部見張所(通称:鳩小屋)から撮影。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月28日
鳩小屋から見た後ろ方向。しらせの航跡の先に、氷海域の境界が見える。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月28日

トッテン氷河沖でも海氷域に入りましたが、昭和基地のあるリュツォ・ホルム湾では、海氷や空の色も違って見える気がします。

船首に集まり、しらせの砕氷航行を見学する隊員ら。
撮影:JARE61 寺村たから 2019年12月28日

いよいよ昭和基地に近づいてきました。

(JARE61 寺村たから)