オーストラリアの排他的経済水域に入る前に、表層モニタリングとCPRの観測は終了、これですべての観測を終えました。皆さん、お疲れさまです。そしてありがとうございます。思えばまだ正月も明けぬ1月2日、大手町で箱根駅伝のスタートの号砲が鳴ったその日に始まったこの航海も、残すところあと2日でゴールとなります。我々に勝ち負けはありませんが、最後まで気を抜かずホバートまで完走するのみです。船では清掃や片づけが進められ、入港の準備が徐々に整えられていきます。
今朝、南緯47度50分、東経142度50分付近でCPRを引き上げて観測を終了しましたが、この辺りはアホウドリ類がたくさんいます。写真はワタリアホウドリ。世界最大の海鳥で、翼を開くと3 mくらいあります。他にはマユグロアホウドリが何羽も船の周りを飛び回っていました。アホウドリ類は、繁殖地以外で普通の生活をしていたら我々が目にすることはなく、こういった外洋域に来ないとお目にかかれません。マッコーリー島やケルゲレン諸島など亜南極の島嶼で繁殖し、1000 km単位で餌を求めて飛び回るそうです。何を食べているかと言うと、もっぱら頭足類、つまり、イカだそうです(Antarctic Wildlife, 2nd ed., Princeton University Press)。南大洋に来ると、イカへの興味が深まるばかり。海鳥がどうやってイカを探してどうやって捕まえるのか。イカがそんなにたくさんいるのか、そしてなぜイカなのか。謎です。
海鷹丸の動きについては以下からご覧ください。