2月27日未明から28日にかけて低気圧が接近し、昭和基地はブリザード(吹雪)に見舞われました。
ブリザードになると、昭和基地では外出注意令または外出禁止令が越冬隊長によって発令され、隊員の外出が制限されることになります。今回は就寝時間帯に風が強まる予報だったため、26日20:00(日本時間27日2:00)に外出注意令の「予告」が出され、越冬が始まってから初めてということもあって、手順を確認する訓練も兼ねた人員確認が行われました。所在を報告するよう全館放送で告げられた隊員は、無線などを使って続々と通信室へ所在を報告し、支障なく数分のうちに全員の報告が完了することを確認しました。
明くる27日の朝、風が強まっていたものの視程は悪化しておらず、午前中は外出注意令の発令は見合わされていましたが、正午になって視程が悪化したことから、澤柿越冬隊長から正式に外出注意令が発令され、改めて本番の人員確認が行われました。
ブリザードは、視程、平均風速、継続時間によってA、B、Cの強度階級がつけられます(参考:気象庁ウェブサイト)。今回のブリザードは、視程が最短約400m、最大平均風速は21.2m/s(瞬間最大風速25.7m/s)に達し、27日12:10~28日01:20まで継続したことから、気象担当の隊員によってC級と認定されました。
2月初めに行われた初ブリザード開始日時のクイズにおいて予想を3時間以内で的中させた今西隊員(設備担当)には、気象隊員から賞状が手渡されました。
ひとたびブリザードの予報が出されると、ライフロープの確認、車庫への車両格納、物品の風散防止など、多くの隊員によって事前対策が施されます。また、外出制限が解除された後には、部門ごとに「ブリ後点検」と呼ばれる施設・設備の点検と除雪が行われます。
(JARE63 馬場健太郎)