こんにちは。
国立極地研究所 南極・北極科学館です。
昨日(2/19)、立川市共同企画公開講座極域科学シリーズを開催しました。
この講座は、立川市教育委員会・たちかわ市民交流大学市民推進委員会
・国立極地研究所の協働企画の公開講座です。
極域科学シリーズは、毎年度 前半・後半3回ずつ講座を開催しており、
昨日は後半の第2回目。
講師は、地圏研究グループ 堀江 憲路(ほりえ けんじ)助教。
「石の年齢の調べ方」というタイトルで、お話をしていただきました。
内容は…
むむむむむずかしい
でもすごくおもしろい
専門的なお話も多かったので、恥ずかしながら私の頭では半分も
理解できていませんが…とにかく興味深いお話が盛りだくさんでした!
まずは自己紹介。
前半は、石の年齢の調べ方や代表的な年代、数値年代、時間の定義についてのお話。
「石の年代」もいろいろ。
世界最古の鉱物は、オーストラリアのJack Hillsで発見された約44億年前のもの。
世界最古の岩石は、カナダで40億年前のものが見つかっている。
日本最古の鉱物は黒部市の38億年前。
などなど・・・
では、その年代を調べるにはどうしたら良いのでしょうか?
地質年代学についても詳しくご紹介。
じゃあ、そもそも「時間」とは?
1年は365日、1日は24時間。それが当たり前のことだと思っていましたが、
地質記録から14億年前の地球の1日は18時間だったと判明したそうです。
地球の回転する速さは一定ではなく、遅くなっているのですね。
地球の自転、公転から時間を割り出すのは不正確…ということで、
現在では、温度0K(ケルビン)におけるセシウム原子時計を使って、
゛1秒″を定めているのだとか。
知らなかった…。
「年代」を調べるためには、そもそもの「時間」の定義が必要なのだと
よくわかりました。
続いて、石を調べるために必要な機械、SHRIMPのお話。
高感度高分解能イオンマイクロプローブ(Sensitive high-resolution ion microprobe)の
頭文字を取り、また、形がエビに似ているということから「シュリンプ」と呼んでいます。
世界で19台しか稼働していないSHRIMP。日本には4台、うち2台はなんと極地研にあります。
数マイクロメートルの領域で、固体試料の化学組成・同位体組成を分析する装置です。
このSHRIMPを使って「ジルコン」という鉱物を分析することで、鉱物ができた年代を
決めることができます。
SHRIMPの歴史や仕組み、そしてSHRIMPを使った年代測定などについても詳しくお話
詳しくはこちらをご覧ください↓
「チバニアン」の年代測定に関わった堀江さん。
最後はチバニアンの裏話でした。
終了後、参加された方からは「おもしろかった!」「もう一度聞きたい!」と
うれしいお言葉をいただきました。
ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
次回は今年度最終回。3/11(水)です。
お申し込みは生涯学習推進センター(042-528-6872)へお願いいたします。
※定員40人(申込順)
なお、チバニアンに関しては、現在、南極・北極科学館にて
パネル展示で詳しくご紹介しています。
極地研究所で行った記者発表の映像もご覧いただけますよ
【南極・昭和基地】午前4時(日本時間:午前10時)
天気:くもり
気温:-8.4℃
風向・風速:東北東3.9m/s
日の出:4:21
日の入:20:48
【東京都立川市】午前10時
天気:くもり
気温:9.1℃