こんにちは。
国立極地研究所 南極・北極科学館です!
先週末は真夏のような暑さでしたが・・・
今週は一気に気温が下がって、今日も朝から荒れ模様。
急激な気温の変化に、体がついていけません。
そんな中・・・4月22日(日)のNHK『おはよう日本』に
気候変動の研究をされている専門家として
国立極地研究所 気水圏研究グループの猪上淳准教授が出演され
近年の極端な気象について、ご自身の研究に基づいた
分析・解説をされました。
その内容を少しご紹介したいと思います。
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今年の冬の厳しい寒さと、3月以降の暑さ、極端な気象の背景には
地球温暖化が関係していると考えられます。
北極では、地球全体の温暖化より、さらに早いスピードで
温暖化が進んでいます。
最近は海の温暖化の影響もあり、
北大西洋を北上する暖流が変化し、
それにともなって大気の流れも変わってきていることに
北大西洋を北上する暖流が変化し、
それにともなって大気の流れも変わってきていることに
世界中の研究者が着目し始めています。
大西洋で温められた空気が北極海に流れ込みやすく
なっている事が指摘されており、
これらの異変が日本にも影響を及ぼしていると考えられます。
暖かい空気が、大陸ではなく北極へ行ってしまうため
シベリア高気圧にため込んでいる寒気が強くなって
1月、2月は日本付近に強い寒気が流れ込んだと考えられます。
3月以降の暑さも、この北極の冬の異変が
関連するのでは?という見方もあり、実際に大陸に降る雪が
例年より少なくなっていることがわかってきています。
雪の少ない場所が、北に移動すると…
雪のある場所と、暖かい地面で温度差が強くなり
上空に風が強い場所ができ、 この強い偏西風が今年の特徴でした。
日本付近は、3月に南側と、例年にはない北側の2つの偏西風に
はさまれた場所で、穏やかな天気、
暖かい気温がもたらされたと考えられます。
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ちょっと難しいですが、とても勉強になる内容でした!
<2016年 サイエンスカフェにて>
温暖化はゆっくりと進んでいますが、
大雨、寒波、猛暑などの極端な気象現象に、どのように対処、適応していかなければならないか?
北極の温暖化が地球全体の気象にかなり影響を
及ぼしていると考えられているなか、
北極の観測を強化して、日々の気象予測に活用していければ、
と最後に猪上先生はお話しされていました。
今後の観測・研究にますます期待が高まります。
【南極・昭和基地】午前4時(日本時間:午前10時)
天気:くもり一時雪
気温:-8.9℃
風向・風速:南4.2m/s
日の出:8:38
日の入:16:00
【東京都立川市】午前10時
天気:雨
気温:16.6℃