こんにちは。
国立極地研究所 南極・北極科学館です。


今日は第2次南極地域観測隊についてご紹介します。

今から62年前の1957年10月21日、第2次隊を乗せた南極観測船「宗谷(そうや)」が出港しました。
第1次隊の出発は1956年11月8日だったので、前年よりも18日早い出発でした。

シンガポール→ケープタウンと進み、暴風圏を通過して順調に昭和基地に向かっていた宗谷。
しかし、12月31日には厚く固結した海氷に閉ざされ、身動きが取れなくなってしまいます。
その後およそ40日間、宗谷は海氷とともに漂流することになってしまったのでした。

結局、第2次隊は昭和基地にたどり着けず、越冬を断念。

2s1021  【第2次で越冬予定だった隊員たち】

 2nipr274_2 【宗谷(左)と救援に来たアメリカの砕氷船バートン・アイランド号(右)】

昭和基地にいた第1次越冬隊11人は、小型飛行機を使いなんとか宗谷に乗船できましたが、
カラフト犬(体重40kg前後)15頭は、飛行機の燃料不足もあり、
連れ戻すことができませんでした。

そのとき置き去りにされた犬の中に、有名なタロとジロがいます。
タロとジロの兄弟は、第3次隊によって生存が確認され、
第3次・第4次隊の隊員と共に昭和基地で過ごしました。
(タロは第4次隊と共に帰国しましたが、ジロは昭和基地で死んでしまいます。)

03070 【タロ(左)とジロ(右)】2頭とも真っ黒…(ジロは足の先だけ白い)

また、カラフト犬たちと昭和基地で過ごした三毛猫の「たけし」は、
隊員が抱えて宗谷に戻りました。
カラフト犬と違って猫は軽いので、小型飛行機に乗れたのですね。

Takeshi0312  【小型飛行機で宗谷に戻ったたけし】


現在、初期の観測隊について、南極・北極科学館のホールに解説を
展示していますので、詳しくお知りになりたい方はぜひご来館ください
猫のたけしのフェルト人形も展示してありますよ!

たけし人形について、詳しくはこちら

11月上旬まで展示予定です!
お見逃しなく~

【南極・昭和基地】午前4時(日本時間:午前10時)
天気:晴れ
気温:-11.0℃
風向・風速:東北東9.6m/s
日の出:3:43
日の入:20:28

【東京都立川市】午前10時
天気:くもり
気温:18.0℃