こんにちは。
国立極地研究所 南極・北極科学館です。

今日12月19日は、南極地域観測隊にとって記念すべき日です
51年前の今日、第9次隊が南極点に到達しました。
今年、春の企画展示で「南極点を目指して~極点旅行50年記念~」を開催し、
詳しくご紹介しましたので、展示を見たという方もいらっしゃるかもしれませんね。

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Dscn1459       【企画展示の様子】

1968年9月28日、村山雅美(むらやま まさよし)隊長ら12人の隊員は、
4台の雪上車に乗って昭和基地から東に20kmの出発地点F16を出発し、
83日目の12月19日、ついに南極点に到達したのです。

288_2img015        写真提供:極地研アーカイブ室


南極点までの道のりは、困難の連続でした。
雪面が強風で削られてでこぼこになった「サスツルギ」に行く手を阻まれ、
柔らかい雪がまじる登り坂でキャタピラが空転。
マイナス45℃の中、スコップで除雪をしながら進むことも多かったそうです。

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到着時、アメリカのアムンセン・スコット基地の人々があたたかく迎えてくれ、
居室を提供してくれたり、雪上車の修理を手伝ってくれました。

6日後の12月25日、隊員は帰途につきました。
そして2月15日、141日ぶりにF16に戻って来ました。

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このとき、南極点の到達は世界で9番目でしたが、
141日の行動日数と5,200kmの行程は世界一長く、
航空機に頼らず国産の雪上車だけで行動したのも日本の特徴でした。

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その国産の雪上車KD60型は、標高4,000mという高所とマイナス60℃の寒さに
耐えうるよう開発された車両です。
南極・北極科学館には、南極点に到達したKD604が展示されています。
かなり老朽化が進み、危険なので、残念ながら現在は中にお入りいただけませんが、
中はとても狭く、この雪上車で数人の隊員が約5ヶ月過ごしたのかと思うと…
当時の苦労が忍ばれます。


最後に、村山雅美隊長の写真を一枚。

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第1次・2次・3次・5次・7次・9次・15次で南極に行った村山隊長。
写真は第3次隊のときのもので、カラフト犬の「トチ」と
極地研究所アーカイブ室では、村山コレクションを公開していますので、
こちらもぜひご覧ください


【南極・昭和基地】午前4時(日本時間:午前10時)
天気:晴れ
気温:-4.4℃
風向・風速:北東2.9m/s
☆白夜28日目

【東京都立川市】午前10時
天気:くもり
気温:8.2℃