こんにちは。
国立極地研究所 南極・北極科学館です。

1月に入ってもう10日が経ちました。
だいぶお正月気分が抜けたという方も多いのではないでしょうか。
さて、今年2020年は子年ということで…ねずみにまつわるお話を一つ。

カラフト犬が南極に連れていかれた話は有名ですが、実は犬だけでなく、
22匹のハムスターが南極・昭和基地に行っています。

P1070402               提供:村田功氏

それは、第32次南極地域観測隊(1990〜1992年)のときのこと。
生物医学担当の田中正文隊員(当時名古屋大学環境医学研究所助手)が、
日照や気圧、地磁気といった極地の環境が生体リズムに及ぼす影響を研究するため、
ハムスターを昭和基地に持ち込みました。
そして、昭和基地の環境科学棟でケージに入れられ飼育されました。

P1070404

室内の温度、湿度などの基本的な飼育環境は、日本での実験環境と同じに設定し、
明暗条件だけは昭和基地と同じように変化させました。
個別のケージに入れられた4 匹のハムスターには小型センサーを埋め込み、
心電図データと体温を連続して測定するとともにケージに取り付けた
回転輪の回転数、室温、湿度、気圧も5分毎に測定しました。

ハムスターの行動は、日照時間が短くなるとともに減少し、
極夜に入ると行動も散発的になりましたが、
極夜が終わって日照時間が増加すると、行動時間も徐々に通常に戻っていったそうです。

また、ブリザードの襲来などで急激な気圧の変化があると、
ハムスターの行動は不安定になり、回転輪の回転数が倍以上に増加するほか、
噛み合いなどの闘争が非常に多く見られた、とのこと。

やはり日照時間や気圧の変化は、生物の生体リズムに影響を及ぼすのですね。

Jare32jare32_1               提供:藤井理行氏

 

なお、1998年発効の「環境保護に関する南極条約議定書」で、
南極に元々ない「種」を持ち込んではならないことになっています。
第32次隊のときも、特別な許可を取ってハムスターを連れて行ったそうです。


十二支の1番目のねずみ。子だくさんのねずみは繁栄の象徴だそうです。
今年はオリンピックもありますし、繁栄の年になりますように!

【南極・昭和基地】午前4時(日本時間:午前10時)
天気:くもり
気温:-0.3℃
風向・風速:南南東2.9m/s
☆白夜50日目

【東京都立川市】午前10時
天気:晴れ
気温:6.5℃