こんにちは。
国立極地研究所 南極・北極科学館です。

昨日(6/22)、サイエンスカフェを開催しました
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講師は第58次越冬隊として南極に行かれた
宙空圏研究グループ・江尻省(みつむ)助教です


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今回のテーマは…

見てるのに見えないものを見る
〜そらのリモートセンシング〜
南極・昭和基地の上空80〜110kmを遠隔観測(リモートセンシング)
した研究内容を紹介していただきました!

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上空100kmというと…飛行機が飛ぶのが10kmなので
その約10倍の高さです!

昭和基地で使用された2つの装置。
一つはこの「大気光イメージャ」。

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色々なものが映るので、そらの全体像をとらえるのに
向いているそうです。

もう一つはこちらの「ライダー」。

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 宙空境界領域にレーザー光をとばして観測します。
そらに向かって「おーい」と呼ぶと、どの高さで誰が「はーい」と
返事をしたかが分かる、ハイテクな装置です。

極地研のある立川で5年の歳月をかけて開発し
昭和基地へ運ぶのに一旦ばらし、3週間をかけて組み立てて…
汗と苦労の結晶ですね!

ではそんなに高いそらで誰が返事をするのか?
その答えは「金属原子」です

上空に金属原子!?驚きですね!
その起源は海の波しぶきによって上空に
あげられた「海洋起源」と
流星によって星に含まれた
物質がはこびこまれた「流星起源」が議論されてきました。
現在は後者の「流星起源」が有力とされているようです

高いそらで起きている現象のお話に
会場は終始驚きの連続でした。
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遅くまで参加していただいた皆様、ありがとうございました

サイエンスカフェが終わり外に出ると
澄んだ星空に月がぽっかりと、うかんでいました
月や星と自分の間に、「見えているけど見えていないもの」がある…
じーっとそらを見上げて不思議な気持ちになった夜でした。

皆さんも、そんなことを思いながら
今日のそらを眺めてみてはいかがでしょうか。

次回は7月20日(金)18:30〜開催です。
http://www.nipr.ac.jp/science-museum/event.html#cafe20180720
ご参加お待ちしております


【南極・昭和基地】午前4時(日本時間:午前10時)
天気:晴れ
気温:-19.4℃
風向・風速:東北東 3.0m/s

★極夜24日目

【東京都立川市】午前10時 
天気:曇り
気温:23.2℃