教員南極派遣プログラムBLOG

野外観測取材 ≪ラングホブデ氷河・袋浦≫

明けましておめでとうございます。

20211229日から2022年の19日までのおよそ2週間、昭和基地から約20km離れたラングホブデと呼ばれる地域にある氷河の上で研究観測をしている、北海道大学低温科学研究所の杉山慎先生のチームに同行し、取材を行い昭和基地に帰ってきました。

ここでは、南極地域観測第期計画の重点研究観測2「氷床・海氷縁辺域の総合観測から迫る大気氷床海洋の相互作用」の下で氷河の変動に関する研究を行っています。

南極授業収録の様子
撮影:JARE63 渡邊雅浩(2022年1月2日)

 

ラングホブデ氷河の上で2週間、テント泊をしながら観測活動のお手伝いをしてきました。

氷河上熱水掘削の様子
撮影:JARE63 渡邊雅浩(2022年1月6日)

 

夏のラングホブデ氷河の上には、氷河が融けた水でできた川が流れています。熱水掘削では、その川の水を汲み上げ、80度に温めます。それによってできたお湯をジェットのように噴射し、ゆっくり氷を融かしながら掘っていくことで、氷河に孔を開けていきます。

 

南極大陸では今、大陸を覆う大きな氷が少しずつ減っています。どうしてその氷が減っているのか、そのメカニズムを調べている杉山先生のお話を、私の南極授業(2022年2月5日 宇都宮大学で開催)では詳しくお伝えする予定です!

 

袋浦のルッカリーのアデリーペンギン
撮影:JARE63 渡邊雅浩(2021年12月29日)

 

20211229日には、アデリーペンギンのルッカリーのある南極大陸のラングホブデ地域の袋浦という露岩帯に行ってきました。この袋浦のルッカリーには、およそ二百羽のアデリーペンギンたちがいました。野生のアデリーペンギンは、人間が近づいても逃げることなく(5m以上離れています)、巣でたまごやヒナを温めていました。こちらの様子も、南極授業でお伝えします。お楽しみに!

JARE63 渡邊雅浩)

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