教員南極派遣プログラムBLOG

昭和基地沖接岸

20211110日に日本を離れて40日目。12月191111分に、南極観測船しらせは南極の昭和基地沖に接岸しました。

新型コロナウイルス対策のため、今年は日本からしらせに乗りました。赤道を越え、オーストラリアに接岸し、オーロラの下を通り、暴風圏を抜け、ペンギンに会い、氷を割り、ようやく、ようやく南極に到着です。

昭和基地沖接岸記念撮影(左から冨川隊員、渡邊、新谷隊員)
撮影:JARE63村田功(2021年12月19日)

 

昭和基地沖接岸パネルと武善(と日和かっぱ)
撮影:JARE63 萱島拓郎(2021年12月19日)

 

しらせが昭和基地沖に接岸するまでには様々な海洋観測も行われました。観測の1つに、CTD観測があります。CTDConductivity Temperature Depth profilerの略称で、水中の電気伝導度、温度、水深を観測する装置のことです。しらせでは複数回、この装置を投入して、観測を行いました。ワイヤーにつながった装置を、海へと沈めていき、定点における海の様子が深度方向にわかることになります。

1219日の観測には、武善も参加させてもらいました。武善が手に持っている装置はXCTDeXpendable CTD)です。高精度高性能な通常のCTDと比べ、観測できる項目は少なくなりますが、簡単に素早く投入できることが特徴です。装置の端部にはエナメル線が付いており、有線で海洋の情報がリアルタイムに船へと送られます。2枚目の写真をよく見ると、細長い線が装置から海に向かって伸びていることがわかると思います。投下後には、信号受信中の画面も見せてもらいました。

今回取得したデータは、海底地形調査の補正に使われるそうです。やはり、様々な機械の仕組みを知るのは楽しいですね。

XCTDを投下する武善
撮影:JARE63 佐藤幸隆(2021年12月13日)
XCTD投下後
撮影:JARE63 佐藤幸隆(2021年12月13日)

JARE63 渡邊雅弘、武善紀之)

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