教員南極派遣プログラムBLOG

定着氷縁到達

12月10日金曜日、南極観測船しらせは南極大陸の定着氷縁に到達し、ラミングという船の重さで氷を割り進む航行に入りました。

ラミングを行うしらせ前方の海氷の様子:しらせ艦橋より
撮影:JARE63 渡邊雅浩(2021年12月10日)

 

ラミングでは、船が海氷の縁で一旦停船してバックをします。その後、しらせは勢いをつけて海氷に乗り上げます。そのとき、「バリバリバリ!」と大きな音がしたり、船が左右に揺れたりして氷を割りながら進んでいきます。

ラミングで船が通った後の海の様子(2021年12月10日撮影)

 

しらせの周りでは、定着氷に入る数日前から、可愛らしいアデリーペンギン達の姿を見ることができるようになってきました。
写真や水族館では何度も見たことのあるペンギン達ですが、自然の中で見る姿は大きく違いました。まず、ペンギンは次のような状況で見つかることが多いです。どこにペンギンがいるか、是非探してみてください。

アデリーペンギンはどこにいる?
撮影:JARE63 武善紀之(2021年12月12日)

 

カレンダーや写真集で見るペンギンの写真は、アップが多く、その可愛らしい見た目から、つい過酷な大自然の中で過ごす生き物であることを忘れてしまいそうになります。見渡す限りが雪と氷の世界で、小さな体を懸命に動かすアデリーペンギン達を見ていると、彼らの持つ逞しさに感心します。
もちろん、しらせの近くに姿を見せるアデリーペンギンもいます。

しらせの近くに来たアデリーペンギン
撮影:JARE63 武善紀之(2021年12月9日)

 

南極で姿を見せるペンギンは、アデリーペンギンだけではありません。コウテイペンギンの姿も時折見ることができます。私が見た際には、コウテイペンギンとアデリーペンギンが一緒に列になって、前へ前へと進んでいました。

コウテイペンギンとアデリーペンギンの列
撮影:JARE63 武善紀之(2021年12月10日)

 

昭和基地まで、あと少しです。

(JARE63 渡邊雅浩、武善紀之)

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