昭和基地沖での主な物資輸送作業が完了

昭和基地の基地機能を支える燃料や物資の輸送は、そのすべてを「しらせ」による年1回の輸送に頼っています。そのため、昭和基地の夏期間に行われる輸送は、夏期間の最も重要なオペレーションと言えます。

この度、昭和基地沖に接岸している「しらせ」と昭和基地間の主な輸送作業が、121日に無事に完了しました。
「しらせ」から昭和基地に送り込んだ物資は、合計973トンに及び、そのうち燃料が566トンを占めます。また、越冬隊30名の1年分の食糧として、66トンを送り込みました。昭和基地から「しらせ」への持ち帰り物資は、2月の持ち帰り計画分も含め、約371トンとなっています。

 昭和基地への送り込み最終日となった117日の最終便では61次越冬隊への「激励メッセージ」付の物資パレット(華パレ)が昭和基地へ送られました。

「しらせ」飛行甲板でヘリコプターに搭載される「華パレ」。
撮影:JARE61山田嘉平 2020年1月17日

121日には、この期間の「しらせ」への持ち帰り物資の最終便が飛び立ち、輸送作業の終了を皆で祝いました。

昭和基地に届いた「華パレ」。第1夏期隊員宿舎前で61次隊員に囲まれて。
撮影:JARE61寺村たから 2020年1月17日

昭和基地では輸送終了を以って、61次隊の越冬に向けた準備が本格化しています。

 

なお、輸送実績(輸送量と輸送期間)は以下の通りです。

★南極観測船「しらせ」と昭和基地間の輸送量

種類

重量(t

備考

持込み

物 資

407

観測・設営物資・食料等

燃 料

566

 

持込み合計

973

 

持帰り※

物資

371

廃棄物等

研究試料

0.2

 

持帰り合計

371.2

 

※一部物資は2月に入ってから実施するので数値は計画値

★輸送期間

種 類

期 間

備  考

燃料

ホース輸送

持込み

1月5日~7

・「しらせ」の燃料タンクと昭和基地貯油タンクをホースで接続して燃料を輸送。

・その他、ドラム缶に入った燃料は「しらせ」搭載のヘリコプターを利用して別の期間に実施。

氷上輸送

持込み

1月5日夜~8日早朝

コンテナ、雪上車等の大型物資を、気温が低く海氷やその上の雪が安定した夜間、雪上車を利用して実施

持帰り

1月10日夜~12日早朝

航空輸送

持込み

1月15日~18

「しらせ」搭載のヘリコプターを利用して実施。

持帰り

1月19日~21

JARE61 熊谷宏靖(文)、山田嘉平(輸送実績))